『 メロディー』(玉置浩二,1996)の歌詞の意味を、次の3つのポイントについて、まとめてみました。
- 歌のタイトル「メロディー」の意味は?
- シチュエーション(舞台設定)は?
- 歌の主人公のペルソナは?
本 UTAZINE.jp では、『 メロディー』の歌詞の意味を、次のように解釈しました。
青春時代に大切にしていた価値観を忘れてしまったアラフォー男子が、20年振りに訪れた故郷の街で青春時代の生き方を思い出し、その当時仲間と唄った歌に魂の再生を託している救済歌。
このような時空を超えた切ない経験をお持ちの方のみならず、青春時代の価値観や感性を心の奥底にしまい込んで生きている方の琴線に触れるようなお話しとなります。
それでは、さっそく『メロディー』というタイトルから見ていきましょう!
『 メロディー』歌詞の意味〜タイトル編〜
「メロディー」というシンプルで、一見ありふれた言葉をタイトルにした理由は?
ーその理由は、次のような3つの意味が込められていたからです。
- メロディーは仲間との大切な思い出
- メロディーは人生を支えてくれる良心
- メロディーはこの歌の真の主役
このような3つの意味が込められていたのならば、「メロディー」というシンプルな言葉をタイトルに据えた奥深い理由もうなづけますね。
それでは、1つずつカンタンに説明しましょう。
タイトルの意味❶メロディーは仲間との大切な思い出
『メロディー』の冒頭には、つぎのような歌詞があります。
いまもまだ 大好きな あの歌は 聞こえてるよ
『メロディー』(1996,玉置浩二)
さらに、こんな歌詞もあります。
みんな集まって 泣いて 歌ってたね
『メロディー』(1996,玉置浩二)
メロディーは、仲間との大切な思い出の歌として登場します。
つまり、思い出のアイテム としてのメロディーの意味です。
タイトルの意味❷メロディーは人生を支えてくれる良心
『メロディー』の2番の歌詞に登場する「メロディー」は、1番とやや文脈が違います。
ぼくたちは 幸せをみつめてたよ
『メロディー』(1996,玉置浩二)
そして次の一節です。
いつのまに 大切なもの なくした
『メロディー』(1996,玉置浩二)
現在の生活が、青春時代の価値観とかけ離れていることを気づかせてくれた存在として、「メロディー」が登場します。
ここでは、「メロディー」は、いわば良心のような存在です。
タイトルの意味❸メロディーはこの歌の真の主役
『メロディー』の3番(最後のリフレイン)の歌詞に登場する「メロディー」は、さらに意味が深化しています。
あの歌は 心から聞こえてるよ
『メロディー』(1996,玉置浩二)
歌詞の最後を締めくくるように「あの歌」が聞こえてきます。
この瞬間、「(あの歌の)メロディー」が、歌の主役に躍り出て来るのです。
自分の価値観や感性ではなく、「メロディー」を主役として推しているところが、この歌の最大のポイント。
まさに名曲の最後のフレーズを見事に締めくくる一節となっています。
『 メロディー』歌詞の意味〜タイトル編〜 まとめ
『メロディー』というタイトルは、3つの意味を含んだ深淵なタイトルであるということが分かりました。
- メロディーは仲間との大切な思い出
- メロディー人生を支えてくれる良心
- メロディーはこの歌の真の主役である
「メロディー」という一見ありふれた言葉でしたが、リフレインされる毎に、段階的にその意味が深化していくわけですね。
だから、歌のタイトルを「メロディー」としたのかも知れません!
『メロディー』、神曲です。
それでは、次にシチュエーションを見ていきましょう。
『 メロディー』歌詞の意味〜シチュ編〜
『メロディー』の歌詞の意味として、この歌のシチュエーションを明確にする必要がありますが、そのためには、次の2点に着目するのが効果的です♪
- 歌の主人公のペルソナ
- 歌が生まれた瞬間
まず、主人公のペルソナについてです。
❶歌の主人公のペルソナを明確にしよう!
ペルソナとは、本曲『メロディー』の歌の主人公についての具体的な人物像のことです。
キャラだけでなく、趣味や習慣、好きなモノなども含みます。
そして、当然のことながら、アーティスト本人の人物像とは基本的には無関係なものとなります。
❷<歌が生まれた瞬間>を明確にしよう!
<歌が生まれた瞬間>とは、ペルソナとシチュの組み合わせの中で、もっともこの歌がハマる場面のことです。
詳しくは、別の機会にお話しいたしますが、Jポップ妄想ストーリーのなかのヤマ場であり、泣き所となる重要な瞬間となります♪
それでは、まずペルソナから設定していきましょう!
❶ペルソナ設定〜『メロディー』の歌の主人公の3つの属性とは?
『メロディー』の歌の主人公の一つ目の属性は、故郷(半)喪失者ということです。
【推論の根拠】
❶寄せ書きにピースマークを書くのは、昭和のある時期の20代の若者に流行した事実
❷強い物質的欠乏感(”あの頃はなにもない”)は、20年近い歳月の流れが必要
❸故郷への喪失感や物理的な距離感を感じさせる歌詞(”遠い空 流されて”)
”あの頃はなにもない”という歌詞が3回もリフレインされることから、強い物質的な欠乏感が歌われています。
『メロディー』の発売が1996年(平成8年)ですから、デジタル化時代より前の時代(1980年頃)であれば、ひと昔という歳月の流れを感じますよね(10年だと余り変化を感じないということ)。
つまり、15〜20年前の頃の自分(だいたい20歳前後)をモチーフにしていると推論できます。
【推論の根拠】
❶元カノは、心優しいけれど、どこか寂しげな面影(”少し さみしくて”)がある(歌詞から)
❷彼女に(”泣かないで”)とフォローの会話すら交わさず上京した(歌詞から)
❸彼女のことは、長い間気になっていて、思い出は胸の奥にしまっている(歌詞から)
地方の男が学校を卒業なりして、都会に就職や仕事を求めて上京する際は、ゴタゴタやバタバタが付きもの。
昭和は黒電話と手紙だけ。上京以来、音信不通はよくある話
特に男は稼げない時は、自分のことで精一杯でして、元カノの気持ちまでフォローできないことが多いです。
後年そのことを後悔して(フリ?)酒の肴にして呑んだりしますねw
【推論の根拠】
❶今の生活は物資的には不自由はないが、「大切な何か」が足りない気がしている(歌詞から)
❷上京して以来、自営業でお金を稼ぐことだけを考えて生きてきた(なんとなくw)
❸青春時代の生活は、物資的には不自由だけど、仲間と幸せを共有していた(歌詞から)
都会に出た地方出身者は、大企業の従業員や公務員にならない限り、自力でスキルを磨いたり、仕事をもらうための人脈を築いていく必要があるため、必死ですよね。。。
青春時代の価値観や感性なぞは、かなぐり捨てて、お金を稼ぐことだけを考えている時間が長くなると、自分のことが分からなくなったりします泣
『メロディー』を何十回も聴いていると、歌詞の向こうに死にものぐるいで仕事をしてきた男の姿が浮かんでくるんですよ・・・。
かく言う私 HAKU も地方出身者。なりふり構わず仕事していましたw
以上のようペルソナの基本情報を押さえておけば、具体的な細部(髪にはすこし白髪が混じっているとか、仕事は現場職人系とか、ヘビースモーカーでマルボローを吸っているとか)は、自由にイメージしていきましょう!
私の場合は、6割が自分の経験値、3割がリサーチ結果、のこり1割は課題曲やアーティストのイメージから、ペルソナを設定しています♪
❷歌が生まれた瞬間
『メロディー』の<歌が生まれた瞬間>は、次の通りです。
生まれ故郷の思い出の店の片隅にあった古ぼけた寄せ書きに「ピースーマーク」を見つけた瞬間
このピースーマークは、20代の自分が残した青春の証(あかし)としてのサインであり、また、未来の自分へのメッセージでもあります。
このピースマークを見た瞬間、過去の自分と現在の自分が対面したことになります。
ところが、今の自分の生き様は、20代の頃の価値観や感性とは、あまりにもかけ離れていて、そのままでは繋がることすらできない・・・
今では、高校の卒業アルバムの中の自分の笑顔を直視できませんとかw
寄せ書きのピースマークを見た瞬間、今の自分と過去の自分が繋がらない感覚(隔絶感)が、一気に襲ってきて苦しくなるわけですね!
人間って、自分自身との隔絶感・疎外感って堪らないものでして、なんとか救われたいという気持ちになりますよね。。。
この瞬間、寄せ書きを書いた仲間や元カノと歌った「あの歌」のメロディーがふと蘇り、現在と過去がつながり、そして救われるという神設定になっています。
もう一度、まとめます。
主人公が生まれ故郷の思い出の店の片隅にあった古ぼけた寄せ書きに「ピースーマーク」を見つけた瞬間
さらにまとめますと・・・
『メロディー』は、乖離してしまった自分の過去と現在を、「メロディー」(=音楽)の力で再び繋ぎ合わせ、主人公に生き直すきっかけを与えてくれる救済の歌なのです。
『メロディー』って、神曲です。
ここまでの歌詞分析を通して、ようやくJポップ妄想ストーリーのシチュエーション(舞台設定)と、主人公のペルソナが見えてきましたね!
『メロディー』のJポップ妄想ストーリーのあらすじ!
本曲『メロディー』のJポップ妄想ストーリーについては、これまでの歌詞の解釈に基づき、次のようなストーリーにしました。
ひょんなことから青春時代を過ごした懐かしい店を20年ぶりに訪れたアラフォー男子が、店に飾られていた当時の仲間や元カノの寄せ書きを目にしたことで、今の自分が20代の頃と真逆の価値観の人生を歩んでいることに気づき、失ってしまった大切な生き方を忘れないようにしようと、青春時代に仲間と合唱した思い出の歌「⚫︎⚫︎⚫︎」を口ずさんだ瞬間・・・。
ストーリーは、こんな流れになります👇
現場職人のアラフォー男は、
仕事で20年ぶりに故郷を訪れる
仕事帰りに青春時代を過ごした
懐かしいお好み焼き店を訪ねたら・・・
店に飾られていた古い寄せ書きに
当時の自分と元カノが書いた
ピースマークを見てしまい・・・
当時の自分の生き方が甦り
今の生活との隔絶感に落ちこむが・・・
当時の仲間と一緒に歌ったある歌の
メロディーをふと口ずさんだ瞬間・・・
・・・と、このようなあらすじとなっています!
『メロディー』をリピート再生して聴きながら、本Jポップ妄想ストーリーをながら読みすると、玉置浩二さんの絶唱が、脳内でストーリーと絡み合い、軽いトランス状態になりますので、くれぐれもご注意くださいw
本Jポップ妄想ストーリーのタイトルは、これまでの歌詞の解析を通じて得られた知見に、HAKU の経験値を融合させた結果、『万年床のアラフォー職人が口ずさんだ奇跡のメロディー(仮題)』としました。
現在執筆中ですので、完成しましたら、また別の記事にて内容紹介させて頂きますので、ご興味がございましたら、ぜひ読んでもらえるとめっちゃ嬉しいです♪
それではここまで、貴重なお時間を頂きまして有難う御座いました。
また歌の中でお会いしましょう!